死後事務委任契約で葬儀・埋葬方法を指定したい!

自分の死後、葬儀方法や埋葬方法がどうなるのか心配な人もいると思います。
死後事務委任契約をした場合、葬儀方法を指定することは出来るのか?
埋葬の方法を指定することは出来るのか?
この記事ではそんな疑問にお答えします。

そもそも死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約とは、自分が死んだ後の事務を第三者に依頼するための契約です。
死んだ後の事務とは、例えば入院していた病院への未払い費用の支払い、介護施設の未払い費用の支払い、電気や水道、ガスといった生活に必要だったものの解約、賃貸物件の整理と引渡しなどなど、多岐にわたります。
亡くなった直後の事で言うと、遺体の引取も死後事務に含まれるとされています。

親族がこのような手続きを全てやってくれる人もいると思います。
そういった人には、死後事務委任契約は不要かもしれません。
しかし、親族がいないいわゆる「おひとり様」や、親族がいても仲が悪いとか事情があって頼りたくない場合、親族も高齢の為に頼ることができない場合、みんな遠方なので手続きのために来てもらうのは忍びないという場合、死後の手続きの負担を軽減させたい場合など、死後事務をどうしようかという悩みを抱えている人は少なくありません。

死後事務委任契約をすることで、あらかじめ自分が選んだ人に死後の煩わしい手続きを任せておくことが出来るので、安心して生活することが出来ます。

会話でわかる!死後事務委任契約のきほん

死後事務委任契約で葬儀や埋葬の手配も出来る?

死後事務委任契約での委任内容に、葬儀や埋葬に関することも定めることができます。
死後事務委任契約の委任者は、親族や家族がいない場合や、何らかの理由で親族や家族と疎遠になっている・頼ることが出来ない状態である方が多いです。そのため、葬儀や埋葬について委任しておくことは珍しいことではありません。

もしも身寄りのない方が亡くなり、葬儀や埋葬を行う人がいない場合は、亡くなった場所の市町村長が代わりに行うこととなります。いわゆる「無縁仏」とか「無縁遺骨」といわれるものです。無縁仏の数は年々増加傾向にあります。

亡くなった方が法定後見制度を利用していた場合、後見人が火葬などを執り行う可能性があります。近年の法律改正によって、成年後見人がついていた場合、成年後見人が火葬又は埋葬を行うことが出来るようになったのです。ただし、これは例外的な扱いで、成年後見人が火葬又は埋葬を行うには家庭裁判所の許可が必要です。さらに、葬儀を行うことまでは認められていません。

身寄りのない方や葬儀や埋葬を親族に任せられない場合は、死後事務委任契約であらかじめ委任しておくことは有用だと言えるでしょう。

葬儀を委任する方法

死後事務委任契約で葬儀や埋葬を委任する場合は、委任事務の範囲として「葬儀及び埋葬に関する事務」と定めておく必要があります。

契約を結ぶ前に、「委任者が信仰する宗教は?」「どこで葬儀を執り行う?」「規模は?」「誰を呼びたい?」といったことを整理しておきましょう。
葬儀を行うお寺が決まっているのであれば、委任者が存命のうちに死後事務委任契約を結ぶこと、それに則って第三者が葬儀を執り行うことを伝えておくと、後々トラブルもおきず、スムーズに進行します。
葬儀業者についても同様です。今は、生前のうちに死後に備えて葬儀場を下見したり、プランを選んだりできる業者もあります。死後の手続きをつつがなく行うという意味でもそうですが、本人の意向を反映させるという意味でも、具体的なイメージを持って準備をしておくことは大切な事です。
委任契約の中に、葬儀を執り行うお寺の指定や葬儀の方式の指定、葬儀費用の上限を記載しておいても良いでしょう。

埋葬や永代供養を委任する方法

埋葬方法などについても、葬儀と同じように契約内容の中に記載しておきます。
お墓をもうすでに持っていて、そこに埋葬するのであれば事前に打ち合わせをしておきましょう。
自然葬などの希望があるのであれば、散骨なのか、樹木葬なのか、具体的にどこの業者に依頼するのかなどを検討しましょう。墓地や霊園によって費用や方式も様々です。

近年、永代供養を希望する方も多いです。永代供養に、墓じまいが伴う場合もあります。
永代供養と一言で言っても、納骨の方法や期間、費用は様々です。予め自分で希望する墓地や霊園を探しておき、予約しておくことも出来ます。予約まで行って、委任事項に具体的に名称や場所を明記しておけば、委任者にとっても受任者にとっても安心です。

墓じまいが必要な場合、手続きをすることが出来るのは「祭祀承継者」です。祭祀承継者とは相続人とはまた別に定めるもので、お墓や祭祀財産の管理を行う人の事です。慣習に則って決められることが多く、相続人がそのまま祭祀承継者になることもありますし、そうでないこともあります。
死後事務委任契約の受任者が祭祀承継者になる場合は、委任者が遺言書を書き、受任者を祭祀承継者として指定する必要がありますが、受任者が将来長きにわたって祭祀承継者となるのは現実的ではありません。
別の方法として、委任者の死後祭祀承継者となった親族から改めて委任を受けるかたちで墓じまいの手続きを行うというものがあります。
墓じまいに関しては墓地や霊園側で独自のルールを持っている場合も多く、第三者による手続きが上手くいかないこともあります。あくまでも親族が主体であれば第三者の関与を認める、といった条件で応じる霊園もあるようです。

火葬の手続きは死後事務委任では出来ない!?

火葬には火葬許可証が必要となります。
火葬許可証の発行を市区町村役場に申請するには、その前提として死亡の届出を行う必要があります。親族であれば、何の問題もなく死亡届の提出、火葬許可証の取得が可能です。
問題となるのは、親族以外の第三者(行政書士や司法書士、弁護士など)が死後事務委任契約の受任者となっていた場合です。
第三者で死亡の届出をすることが出来る人は限られています。例えば、成年後見人や任意後見人・任意後見受任者、家主などです。
ここに死後事務委任契約受任者は含まれません。
つまり、任意後見などを結んでおらず、死後事務委任契約だけを受任していた場合、受任者ひとりでは火葬が出来ないということになります。

この場合、死亡届を提出出来る人の助けを借りて、火葬許可証を取得しなくてはなりません。
該当する人の助けを借りるのが難しい場合は、任意後見契約も合わせて締結するなどの方法で対応することも考えられます。

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ふくさん
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私は難しい言葉で説明をされても分からないし、制度のことも法律のことも良く分からないんだけど・・・

きーさん
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なるべく簡単な言葉で、分かりやすいようにご説明するのでご安心ください。
もしも途中で分からないことがあったら、質問してもらっても大丈夫ですよ。

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